それも「ミステリを書くミステリ」という多重構造なお話です。
2000冊くらいの本を読んできたぼくだけど、
これが一番リピートした作品かもしれない。
精魂こめて執筆し、受賞まちがいなしと自負した推理小説新人賞応募作が盗まれた。―その“原作者”と“盗作者”の、緊迫の駆け引き。巧妙極まりない仕掛けとリフレインする謎が解き明かされたときの衝撃の真相。鬼才島田荘司氏が「驚嘆すべき傑作」と賞替する、本格推理の新鋭による力作長編推理。
この作品のトリックはラスト10%でそこまでの90%の物語を反転させるので、
とある錯覚にひっかかっていた読者は、世界が崩壊したような衝撃を受ける。
(といっても、意外と構造は複雑なので、ちょっとした読解力はいるかも)
ただ、何度も何度も読み返すのは、そうした仕掛けのすごさだけじゃなくて、
主人公が必死にミステリを書きあげようとする執念とか、そのあたりです。
何かを作ろうとする人間の姿というものは、傍で見ていると楽しいものです。
小説を書くのがすきなひと、
小説家になるのが夢の人には特におすすめ。
0 件のコメント:
コメントを投稿